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絵を見る満ち足りた時間 [備忘録]

あけましておめでとうございます.
お正月に読めた唯一の本でした.

安野光雅著『絵のある人生-見る楽しみ,描く喜び-』,岩波新書,2003.9.

pp.10-11 絵を見る満ち足りた時間

「人はなぜ絵を見に行くのか」ということについて思い当たることがあります.
(中略)
ところで,風景もさることながら,美術館のほうが「密度が高い」と感じるのは,何故でしょう.
 思うに,昔の絵は長い時間かけて描いたものばかりです.その絵には,
絵が描かれていたときの,時計で計ることのできない時間(思索)があり,
絵ができあがってから,こんどは時で計る意味の時間(歴史)が,
ほこりのように降り積もっていると思うことができます.
絵を見る人がその時間を共有するのだとしたら,密度は限りなく高いことになります.

安野(あんの)さんは,『ふしぎな絵』や『旅の絵本』など福音館書店を中心に,
絵本で有名な画家です.僕も,最近娘の絵本探しに図書館へ通うようになって
懐かしさから再び手にすることになりました.

幼かった頃の僕は,安野さんの『はじめてであうすうがくの絵本』や『ふしぎな絵』
などを読んで,まねして絵を描いたり,ゲーム的なこと(当時,数学はそういう雰囲気だった)
を考えて遊んだ記憶があります.

上記の文章は,
思索と歴史との絡みが,絵という風景にどのように現れるかが,
私と誰かの間で共有される時間の話と結びついていて,
なるほど,と思った次第です.

今年も,誰かと何かが共有できることを目指し,頑張ります.
みなさま,今年もよろしくお願い申し上げます.

今年訪れたなかで,一番よかった場所 [写真で一言]

101228hiroshima.jpg

年末らしい,企画でした.

先日の,ドクター飲み会(先生3,ドクター6!
しかも,平成22年度初揃い)で,☆野さんが
提案したお題.

3月まではフランスにいたし,9月前半もフランス一周って
感じだったので,そういうことを考えていたのですが,
ふと,最近のことを考えたら,広島に行ったことを思い出しました.

わずか,4時間の滞在だったのですが,
恩師が繕った水辺風景を,名も無き人々が
最大限に魅力的に使い続けていってくれるであろう
この場所を確認することができました.

今この水辺を,僕も,僕の教え子たちも,
必死に生きた教科書にして勉強している.
何か学び取ろうと必死でもがいている.

はたと,こっちの方がフランスの風景より大切だな,
と思って,こっちにしました.

2010年も終わりに近づきました.
ちょっと,お休みが長かったマチタビ
再会したいと思います.

フランスで学んだこと [フランス便り]

帰国してまで,「フランス便り」というのも,
どうかと思いましたが,これからもフランスで
感じたこと,考えたこと,などもまだまだあるので,
こういう形で発信していこうと思います.

それにしても,帰国して一ヶ月が経ったのですが,
予想通り,フランスやフランス語について考える
時間は週に一,二度.
それでも,娘が日本の幼稚園に行き始め,
フランスとの違いを感じたり,フランスパンを
食べて懐かしかったり,科研費書いたり,
少しづつフランスで得たもの,得たことを実感する
機会も出てきました.

帰国一ヶ月を契機に,徐々にかたちにしていこうと
今回は,フランスで学んだことを書き留めました.
1.言葉は大切
2.知りたいことは伝えたいこと
3.水に関わる社会を考えることは土木工学

何のことかよく分からないかもしれませんが,
帰りの飛行機の中で,ずーっと考えていて,
この3つなので,たぶん現時点の僕には
これがいっぱいいっぱいです.

来週から,徐々にoutputの場が増えます.
outputして疲弊するのではなく,新しい共有の場
として緊張感を持って楽しみたいと思います.
何をしてきたのか,どれだけやれたのか,
自分でも楽しみ.

帰国しました [日記]

ご報告が遅くなりました.
先週の月曜日に無事帰国しました.
フランスでお世話になったみなさん,ありがとうございました.
今後とも,よろしくお願いします.
日本でお世話になっているみなさん,ご迷惑をおかけしました.
今後とも,よろしくお願いします.


さて,一週間の間に,年度末のいろんなことがありました.

例年だと一大イベントである「卒業式」もあった.
本年度は,5名の修了生を出したのだから,
相当大きな区切りである.
当日は,時差呆けも抜けきらず,桜だ,写真だ,
ビールだ,カラオケだ,とあっという間の一日でした.

本当は,一人一人ともっとゆっくり話したかった
(いまさら言うなよ!)というのが,本音です.
それぞれに,大学院生最後の一日を
楽しそうにしていたので,じゃまをするのも
憚られたのですが,本当はこの一年をちゃんと
謝るとともに,「で,どうやった?」と聞きたかった.
「何さ,自分だけ楽しんできて」って言われるのが,
怖かったのかもしれません.

最後まで,わがままを言い通せなかったのが悔やまれます.
また,いつでもいいので,話を聞かせて下さい.
ちなみに,5年間の保証に有効期限はありません.

本当に,ご卒業おめでとうございます.

帰国します [フランス便り]

いよいよ,明日Parisを離れます.

長らく,不在でご迷惑をかけた日本の皆様,
フランスで温かくご支援して下さった皆様,
ともに,いまからご恩に報いたいと思います.

2009年5月6日,38歳の誕生日から約11ヶ月.
とても有意義なフランス滞在でした.
何ができたのか?と問われると即答に窮しますが,
3つ答えられるように,飛行機の中で考えたいと思います.

帰国後も,ご指導ご鞭撻のほど,よろしくお願いします.

Provence [フランス便り]

話が前後しますが,2月の24日から3泊4日で,
Provence(プロヴァンス)に行ってきました.
ナカムラせんせもお薦めのピーター・メイル著
「南仏プロヴァンスの12ヶ月」のあのプロヴァンスです.

寒さの厳しいParisを離れ,TGVで3時間20分
Avignon TGVに着きました.そこから,バスで
20分ほど,城壁に囲まれたAvignonの中心市街地に
たどり着きました.

暖かい!中の一枚を脱ぐことができました.
ホテルは,Avignon Central駅にも近い,
城壁内の修道院の中にありました.
今回は,フランス最後の家族旅行ということで,
それほど動き回りませんでしたが,世界遺産を
4つも訪れる,という地の利を活かした旅でした.
・Avignon アヴィニヨン(1995)
・Pont du Gard ポン・デュ・ガール(1985)
・Les Baux de Provence レ・ボー
Orange オランジュ(1981)
・Arles アルル(1981)

■Pont du Gard

PDG.JPG

行ってきました,ニームのというより
K林せんせのポン・デュ・ガール.
何故か右岸側に着いてしまって,おそらく
通常の観光客とは反対向きの行動となりましたが,
ガール川に架かる石造通水橋を堪能してきました.

紀元前19年建造,3層からなる石造通水橋.
河床からの高さ48m,長さ269mだそうです.
何故か錦帯橋のことが頭にこびり付いていて,
妻が「通潤橋より大きいね」と言ってくれて,
初めて本来の場所の見方に戻ることができました.

ポン・デュ・ガールもまた,橋ではなく水路の一部でした.
周囲を含め(当たり前なのですが)Grand Siteとして整備され,
左岸側には博物館もありました.(残念ながら閉鎖中)
ユゼス近郊の水源からニームへの都市用水の供給の他に,
周辺地域への農業用水も供給していたようです.

■Arles

Arles.JPG

この円形闘技場(長径136m)のほか,劇場,温泉などの
ローマ時代の遺跡群が世界遺産に登録されています.

アルルへは,Avignonからterで20分程度なのですが,
頻度が少なく,正直行きにくい場所です.
旧市街地へは,SNCFの駅から徒歩15分.

行くまで知らなかったのですが,アルルは
ローヌ川の主要な河港のようです.
夕方,5時頃に着いたので,円形闘技場にも入れず,
途方に暮れていましたが,川縁の夕焼けが美しく
癒されました.

ゴッホが一時,ゴーギャンと一緒に過ごした場所としても
有名で,人口5万人ほどの小さな街の中心部は,
人情味溢れる人々で賑わっていました.
街中のあちこちに花が飾られ,なんとなく可愛らしい街の
印象を持ちましたが,そんな街中に急に闘技場や城壁など
ローマ時代の遺跡があって,時が一気に2000年ぐらい
飛びます.


他の場所でも,あちらこちらにローマ人の築いた
植民地都市の遺跡を目にして,とてもRomanを感じました.
日本ではあまり見かけない都市の風景です.
考えてみれば,奈良の平城宮跡よりも古い遺跡が,
目に見える形で存在し,劇場や闘技場にあっては現役である
というのは驚くべきことです.
「変わらない都市の風景」を学んだ旅でした.

Montignac [フランス便り]

おそらく,フランス滞在中最後の旅として
モンティニャックという村に行ってきました.

世界遺産にもなっているLascaux(ラスコー)洞窟が
あるDordogne県の小さなcommuneなんですが,今回ここを
訪れたのは,洞窟とは全く関係がありません.
関係がないことはないのですが,ヒアリングの結果
関係は限りなくなかったことが分かりました.

3月の2日,3日の二日間,
Bordeaux大学留学されているIWABUCHIさんと
Montignacの行政関係者とAssociation
(日本で言えば協会だけど,ただの協会ではない)
関係者の方々にヒアリングをしてきました.
Montignacへは,Bordeauxから東へ120kmほどの場所にある
Perigueuxeという町までterで行き,そこからIWABUCHIさんの
お友達のシルベットさんの車で1時間程度(さらに東へ約45km),
中央山塊地域に位置する寒村と言って差し支えない場所です.

このヒアリングは,僕が誘ったものでしたが,
IWABUCHIさんがいて下さらなければ,
決して実現しなかったもので,また遙かに
僕のレベルを超えた有意義なものとなりました.
(僕のレベルを超えているので,僕では処理しきれません...)
Allフランス語での質疑応答,悲惨な状況でした.


しかし,本年度の渡仏最後の調査なので,
いろんな意味で思い出深いものとなりました.
3日には,ちょうど30歳を迎えられたIWABUCHIさんの
友人たちからの祝福の場にも同席することができ,
何とも言えない素晴らしい時間を過ごしました.

一言で書くには,あまりにも内容がありすぎて
書ききれないのですが,あえて一言で書くなら,
「フランスの村は小さくとも絶対になくならない」
ということが分かりました.
何はなくとも村はあるのです.

Saint-Émilion [フランス便り]

Bordeaux から車で約40分,
村の景観とブドウ畑が世界遺産ともなっている
サンテミリオンに行ってきました.

二度目のBordeauxとも言えるのですが,
前回訪れたMedocやGraveとは趣が違うので,
初でいいのです.
サンテミリオンは,Bordeaux近郊のワインの名産地として
有名ですが,他の土地とは雰囲気が少し違います.

世界遺産のタイトルともなっている「Juridiction de Saint-Émilion」
のJuridictionがくせ者です.
地域の自治,産業としてのワインづくり,そして風景...
Office de Tourismeにヒアリングに行ったのですが,
一度訪れただけでは歯が立ちません.
正直,出直してきます,という感じでした.

村の風景も美しかったですが,
やはりブドウ畑です.
地形の起伏といい,細かく整えられた畦といい,
一本一本のブドウの木が,風土そのものです.

StEm.JPG

Châteaux [フランス便り]

先日,La Loire(ロワール川)のお城を見てきました.
ロワール川は,中央山塊東部に源流を持ち,
フランスのほぼ中央部を北上したあと,
Orléansに達し,流れを西に向けTours,Nantes
などを経て大西洋に注ぐ,フランス最長
全長1,020kmの大河です.

このロワール川の中流域,15世紀に一時的にフランスの
首都となったこともあるTours(トゥール)を中心に
ルネッサンス期に競うようにして築造された大小100ほどの
お城があります.
このうち,Château de Chambord(シャンボール城)とその領地は
1981年世界遺産となっています.

当初,交通が不便と聞いていたので,
レンタカーで見て回るつもりだったのですが,
もはやこの時期になってしまっているので,
敢えて鉄道と徒歩で,3つの城を見て回ることにしました.
Château de Blois ブロア城
Château de Amboise アンボワーズ城
Château de Chenonceaux シュノンソー城


Bordeaux やNantesに行くTGVの車窓から見ていた
この何とも茫洋としたロワール川流域が,
中世のある時期王侯貴族がこぞって城を建て,
フランスの庭と呼ばれていることを知ってから
一度訪れてみたいと思っていました.
(日本でも有名らしいが,そんなことも知らずにフランスに来てしまいました)

TGVの沿線にいくつかの丘陵が見え始め,La Loireを渡ると
すぐに今回拠点とするToursに着きます.
正確には,その一つ前の駅St-Pierre-des-Corpsで乗り換えるのですが,
Toursには入っているので,そこから5分も列車に乗れば
まちの中心部に着きます.

Toursからは,TGV以外にも放射線状に8方向へ
在来線が伸びています.今回は,この在来線に乗って
お城近くのまち(村)まで行き,そこから徒歩で
お城詣でとなりました.

地図で予習はしていったのですが,
今回確かめたかったのは,
1)お城と鉄道とまちの関係
2)お城の立地する地形
3)お城をつくった土木技術
です.

世界遺産のシャンボール城をはじめ,ロワール川周辺のお城の多くは,
車でないといけない場所が多いので,それは何故か?と考えたので,
上記のポイントを,「敢えて」鉄道で行って見て来ようと思いました.

■Château de Blois
1)Bloisは比較的大きなまちで,駅も城もまちのほぼ中心部にある.
2)まち全体がロワール川に南面した河岸段丘(時に断崖)となっている.
3)起伏に富んだ地形を克服した敷地造成技術.
  お城そのものも高い建築技術の粋が投入されている.
chateau1.JPG
駅が高台にあり,城の向こうにLa Loireがあることが意識できた.

■Château de Amboise
1)Amboiseのまちの中心部はロワール川の南側にあり,城はそちら側にある.
  駅は城から中洲を経た北側,やや町外れに立地しており小さい.
2)ロワール川に北面する断崖上に立地している.
3)「ミニムの塔」と呼ばれる,かつての馬車用螺旋通路(立体駐車場のそれに似てる)
  に代表されるように,高低差克服技術(揚水技術も含めて)
chateau2.JPG
Pont Général Leclerc Maréchal de France?からの城.
見れば見るほど河岸との関係が鮮明に.

■Château de Chenonceaux
1)着いてびっくりしたのですが,駅はほぼ城のためだけにあります.
  巨大な城の敷地の傍らに村がちょこっと付属している感じ.
2)ロワール川の支流Le Cher(シェール川)を跨ぐ形で立地.
3)城内にある船着き場が印象的で,河川技術または水工技術.
chateau3.JPG
描かれたChâteau de Chenonceaux.橋そのものです.


三者三様だった訳ですが,まちと駅の印象的は「大中小」という感じです.
城の格はまた違うと感じました.おそらく,城の用途に関係していると
思います.BloisとAmboiseは統治用,Chenonceauは狩猟用(余暇用)
という風に見て取れました.

鉄道以前は,舟運が最大の輸送機関であったことを合わせて考えてみると,
必ずしも便利なところに城が築かれた訳ではなく,城が先にでき,
追ってまちができた,という過程を辿ったのではないかと思われます.
すると,当時の王侯貴族はかなり無理な築城を行ったと考えられ,
Civil engineeringよりも,Millitary engineeringの印象を受けました.
また,フランスは運河の国なんだと実感できました.

England [フランス便り]

先週は,友人がいるManchesterと,そこから
世界初の鉄道が開通した都市Liverpoolに行ってきました.

Manchesterには,大学の時の後輩?おーにしくん
がいて,彼はParisにも何度か遊びに来てくれたので,
そのお礼と,産業革命(簡単に言えば「近代」)が始まった
都市というのを是非見たかったので,急な予定でしたが,
ひとっ飛びで行ける距離なので,無理して行ってきました.

ParisからManchesterまでは,離陸してから着陸するまでは
1時間かかっていません.それぞれ,都市から空港へは
Parisでは40分,Manchesterでは20分程度,
一応国外なので,入国審査等が厳しいですが,3時間あれば
完全に異国の地です.

フランスに来てから,鉄道の移動が多かった
(実際,6月にLondonに行った時もユーロスター)
ので,飛行機は新鮮です.
その飛行機に乗ったからかもしれませんが,
今年に入ってからめまぐるしく,フランス国外へでかけて
いるのですが,そういう国々とは違った印象を受けました.

■Manchester
マンチェスター・ピカデリー駅につくなり
おーにしくんが「この街は三角形をしている」
と教えてくれたので,すんなりとまち歩きを始めることが
できました.各頂点にはかつては鉄道駅が配され,中心部には
シティ・ホールや各種庁舎,そして教会があります.

中心市街地を囲む三角形の各辺は鉄道が形成しているのですが,
その下地にうっすらと運河の姿が認められます.
そう,このManchesterも運河都市なのです.
世界発の鉄道がこの街とLiverpool に敷設されたのも,
運河によって国際的貿易港リヴァプールと羊毛産業の中心地,
そして当時世界的金融の中心地であったマンチェスターを
結ぶために,運河よりもより迅速に物資や人を運ぶために
鉄路が必要とされたのでした.

市内では,かつて世界でも指折りの金融都市,そして
産業革命発祥の地として得た富と名声の「なごり」を
随所に感じ取ることができました.

かつてLiverpoolとManchesterを結んだ西端の駅から
現在Londonとの接続点になっている東橋のピカデリー駅
との間には,現在も運河が埋め立てられずに残っています.
その沿川には,煉瓦造のWarehouseや商館が立ち並び
まさに「産業革命発祥の地」でした.
 
man1.JPG
再開発の波は,ここManchesterでも深刻なようです.
英国のリノベーションはレベルが高いと思っていましたが,
それも場所によるようです.

もう一つ,マンチェスターのまちはまちで面白かったのですが,
もっとすごかったのは,町外れにあったこのMOSI
(Museum of Science and Industry)でした.
 
man2.JPG
 
計3時間いましたが,まだまだ見足らない感じでした.
現に一部回収中だったので,是非また訪れてみたいです.
特に,興味深かったのは,幼稚園ぐらいの子供から中学生ぐらいまで
いくつかのグループが先生に引率されて社会見学?に来ていた様子
でした.本物を見て勉強する,ということの重大さを意識しました.
アーカイブや文献の所蔵具合,また学習室や子供のためのレクチャー
施設なども,日本と比較になりません.おそらくフランスもここまでは
充実してないような気がしました.

次のLiverpoolも含めて,都市や技術の歴史に対する姿勢の
こういった雰囲気が,英国の気質かなぁと思いました.
フランスが地域を基本単位にしているのに対して,
英国では「国を挙げて」という気概のようなものを感じました.

■Liverpool
リヴァプールと言えば,Beatlesなのでしょうが,
今回はあまりそっちの方を勉強して行けなかったので,
思う存分楽しむことはできませんでした.

Liverpoolを訪れたのは,世界初の鉄道の路線に乗って
港に行きたかったのと,その港が商港として世界遺産に
なっているので,それを確かめに行くため,でした.

ManchesterからLiverpoolは,1時間に4,5本列車が走っており,
所用時間は約40分,雰囲気は京都-大阪間です.
大阪は東洋のマンチェスターと呼ばれた時代があったので,
この例えは非現実的ですが,Manchester>Liverpoolへの旅は,
大阪>神戸を思い出させました.
現実には,大阪>神戸は,阪急,JR,阪神どれを使っても
20分程度で三宮まで着いてしまうので,路線的には違うのですが,
都市の雰囲気と港町らしさ,という点で,上記のような例えを
思いつきました.

リヴァプールは,駅からしてとても洗練された文化を持った
港町だと思いました.到着したLime Street Stationでは
大架構が,街の雰囲気を引き込んだような明るい駅舎を演出していました.
(余談ですが,Limeがいろんな意味を持っていることを初めて知りました)

世界遺産は,商港として発展した都市の経緯を残す6ヶ所のエリアで
構成されています.その中で僕が一番港町らしさを感じたのは,
このAlbert Dockです.
liv2.JPG
 
世界遺産として写真映えするのは,次の3建築です.
The Three Grace (1901-1916)
18世紀,19世紀の国際貿易をリードした港湾関係建築物
(Royal Liver Dock, Cunard Building and Dock Office)
liv1.JPG
 
しかし,港町を支えてきたという存在感では,
やっぱりAlbert Dockの水面が一番だと思います.
横浜や門司を思い出しましたが,規模や保全状態が全く違います.
使われ続けてきた水辺の力が漲っています.

かつてのWarehouseは,Tate美術館になったり海事博物館になったり
していますが,内水面は今でもツアーなどの船が出入りしており,
ちゃんと河岸としての機能を果たしています.

今回,思いがけず,
内陸河港都市と沿岸港湾都市という欧州の典型的な
2都市を比較して見ることができました.
フランスにも,例えば
Rouen>Le Havre
Nantes>St.Nazare
などの都市関係(内港>外港)が見られます.
その水辺の保全も含めて,興味深い街々です.

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