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現役 [本からの一言]

H21年度,研究室唯一の新メンバー
ヨシコウからの推薦図書
工藤公康:『現役力 自分を知ることからすべては始まる』,PHP文庫,2009.3.

楽しく,あっという間に読みました.

やはり野球少年であった僕たちの世代にとって,
「プロ」野球選手というのは,少なからず憧れの
存在である.

昔,川口の確か『投球術』という新書を読んだが,
その時も,ああ自分のこと,よく見てるな,と感じた.
工藤の場合も,副題にまでなっているので,
当然,そういう内容でした.

工藤は,1963年生まれ.
僕より,8歳上でした.
僕が中学,高校生ぐらいの時に,西武の黄金時代が
あって,その時の印象,「工藤,渡辺,秋山」みたいな
感じを持っていた.「生意気」「実力主義」「プロ」

それから,ダイエー,巨人,横浜,と移籍の度に,
活躍する人だなぁ,というぐらいのイメージ
僕の野球熱が冷めてからは.
でも,後輩の面倒をよく見る印象はあった.
プロ野球ニュース様々です.
いつの間に,なくなったのだろう...

さて,本題.

p.71  「たかが野球選手でしょ」

これだけでは,何だか分かりませんね.
工藤が嫁さんのお母さんに言われた一言だそうです.

いろんな意味で,工藤っていう人は
「よく考えている」選手,「プロ」だなぁ,と思った.
今の僕に足りない要素を,すごく学んだ気になった
一冊でした.やはり,いまを生きている学生たちに
学ぶことは多い.

教育とは何か,そんなおこがましい言い方を
しなくても,誰かにものを伝えることを生業と
する僕たちは,自分が学ぶことを疎かにしては
いけないな,と強く思った.

また,隣の人に,「naoは感染し易いから」と言われて
しまうかもしれないが,ほんと単純なことだけに,
常に頭の片隅において置いてもいい言葉だと思った.

「たかが研究者」

一生,現役だ.学問の徒.

文化とは [本からの一言]

連日の研究会で,あたま冴えまくり.
しかし,日々自分の考えていることに
何度も問いかけ,自信をもつことも
できた貴重な日々でした.

そんな中,読み上げた一冊.

宮本常一:『空からの民俗学』,岩波書店,p.166,2001.4.

 文化は一様に一斉にすすんでいくのではなく,
 ひとりひとりの意志が技術を持つ人びとのからみあい
 によってすすんでいったものであるが,この写真の中
 からはそうした人間の意志をまだ読み取ることができる.

ビジョンを描き続けること,地域の文化を確かなものにすることは,
いま,微妙な位置関係にある.あると信じるのか,生み出すのか,
再生するのか,あるいは文化とはいかなるものか?
地域の確からしさを,どんなアプローチで生きたものにするのか,
をみなで話し合う.

「技術」,技と術,僕たちが真摯に向き合うべき相手は,
文化のうえに,なかに,成り立つ「技術」と「人」の関係かもしれない.

運河に生きる [本からの一言]

今年も,書きます読書感想文.

小倉孝誠:『パリとセーヌ川 橋と水辺の物語』,中央公論社,2008.5.

p.59からはじまる第2章のタイトルが,「運河に生きる
エレクトール・マロ:『家なき子』,1878
ブリュノ夫人:『二人の子供フランス巡歴』,1877
の二冊の書籍に描かれた当時のフランスの姿を紹介した後,

pp.67-68
 どちらも子供がフランス各地を旅し,その過程でフランスの
 地理や産業や歴史についての理解を深め,それをつうじて
 愛国心を養うという構図になっているからである.そこでは
 フランスが河川と運河の国であること,そして河川と運河が
 フランスの経済活動にとって不可欠の要素であることが,
 子供の旅の行程によって示されている.

 ミディ運河は,1996年に世界遺産に登録されている.

今回は,文章そのものではなく,記述された内容に,
なるほど,と思ったので,一言に拝借した.

書籍自体は,面白かったが,正直これなら書ける,
いや,書かねばならない,と思った.
琵琶湖疏水の方が,京都人である僕にとっては,
何倍も書かねばならないことがある.
疏水だけじゃない,日本の風景と水路技術,水辺の
造景について,もっと語れる.
そういう目でもフランスを見て来なければ,と奮起できた.

 [本からの一言]

風土という言葉の,「土」の方である.

辻 啓一:『フランスの「美しい村」を訪ねて-パリから出かける小旅行』,角川書店,2004.11.

今回は,まだ胸に響くような言葉はなかった.
いくつか,心惹かれる場所の写真はあった.

pp.179-182 Collonges-la-Rouge
文字通り,「赤い村」である.

学生の時に,環境色彩を勉強したときに,
ランクロという人の書籍を読んだが,彼も
フランス人だったし,土の色について,
延々と述べていたくだりがあったはずだ.

ブドウも土と水が育てるという.
土の勉強を,始めよう.

 [本からの一言]

通潤用水土地改良区の長から,お薦め頂いた書籍
少し時間がかかりましたが,読み遂げました.
何度か,お名前は拝見していたのですが,彼女も
立正の地理(環境社会学)の先生でした.

富山和子著,『日本の米 環境と文化はかく作られた』,中公新書,1993.10.
p.180

 山奥の林道にひっそりと植えられた水田を見ると,私はああ人が住んでいるな
 と思い,人が住んでいるなら,山も守られているだろうと,心ひそかに安心する.
 その逆に,かつての段々畑が廃墟になっていたりすれば,山も荒れている.
 これが,私の理論と経験から得た風景の見方なのであった.

井手の研究に始まり,文化的景観や通潤用水の棚田の景観に携わり,ようやく
農の風景の入り口が見つかりかけている.農業に従事しなくても,
日本らしい風景の見方は獲得できる.

そう信じている.
むろん,農業ができる方が望ましいのであるが.

解釈を守る [本からの一言]

読まない訳にはいかない本.

アラン・コルバン著・小倉孝誠訳
『風景と人間』,藤原書店
p.174

 風景の保護はある風景解釈を選択することである

これ,項のタイトルです.

 風景を保護し,整備し,保存し,あるいは再生させるのは,
 ひとつの解釈を守るということを意味します。
 同一の空間内に三つも四つも風景を保存することはできません。

「解釈」納得です.
風景のなかに,人は価値観を読み込んでいる,
ということでしょうか.

しかし,同一の空間内には,常に二つ以上の視線が投げかけ
られているように感じます.例え,自分一人が見つめていても,
そこに住んでいる人の視線が,気になります.
そんなところから,会話が生まれるのかもしれません.

通潤用水を巡りながら,そんなことを考えました.

観測精神 [本からの一言]

恥ずかしながら,
柳田國男と柳田邦男の違いを,
「字が何だか違うなぁ」程度の状態で,
『空白の天気図』を読み始めた.

その前に,新田次郎の『劔岳』を読んでいたので,
多少鍛えられていたが,相当にハードな読書だった.

広島のまちで仕事をする前に,「必ず」読まなければならない
本だと,つくづく思った.読むことを薦めてくれた方に御礼を
申し上げます.

いま,僕は大きな転換期にある,
と自分で勝手に思っている.
とても忙しいが,とても楽しく,
自分を追い込めている.

僕は,何をする人なのだろうか,
たいしたことをする人間ではないかも
しれないが,楽しみである.

多くの人に支えられ,生きることに真剣さや苦しみを
背負う必要があるのかもしれないが,僕が楽しく
仕事をすることが,少なくとも何人かの人の役にたっている
と思えている.幸せなことだ.


『空白の天気図』,新潮社より
本書からは,あまりに多くのことを得たので,
一文を挙げることができない.

しかし,敢えて挙げるならば「観測精神について」である.
これは,劔岳の時感じた「献身」を上回る.
解説において,気象百年史をまとめた根本順吉氏が語る
「岡田(竹松)は観測精神は”自然と判る”を言っている。」
「現象の本質など見えてくる筈がない。」 いずれも,p.438

そもそも刻一刻と変化する気象を見る,記録することなど,
人間業ではないのかもしれない.私たちも,風景を見ている,
ましてや共有している,などというのはまやかしかもしれない.
しかし,観測者は「欠測」がないように,8月6日も9月17日も
ただただ気象を観測してきたのだった.

世のため,人のため,というのは言葉が軽すぎるのかも
しれないし,重すぎるのかもしれない.
しかし,そう思わずには,この種の仕事はできないだろう.
僕も,世のため,人のため,風景について研究したい.

ルールの破り方 [本からの一言]

一泊の業務の行き帰りの移動中に,二冊読み切りました.
劇画的な絵がイメージされる非常にテンポのいい小説
面白かったです.

海堂尊:チームバチスタの栄光(上・下),宝島社文庫,2007.11.

p.160
 ルールは破られるためにあるのです。
 そしてルールを破ることが許されるのは,未来に対して,
 よりよい状態をお返しできるという確信を,個人の責任で
 引き受ける時なのです。

ある年配の医師の言葉だが,リアリティに欠ける.
そういうキャラクター設定だったので,本人が自覚を持って
語っているのか,煙にまいているのか不明だが,
こういう言葉を信じて,ルールを破ることはできる,
と思った.

自分だけの確信なら,当然個人で引き受けるはずだ.
せめて,未来を信じる人のために,誰かのために,
ルールを破りたいものだ.

ドキュメンタリーとは [本からの一言]

ドキュメンタリーなんて,信じなぁ~い
だって,カメラはそこで回ってるんだ~ぜ~

斎藤和義も歌っています.

しかし,この本は,そんなテレビのドキュメンタリー番組を
制作している,テレビマンの著書.

山登義明:テレビ制作入門 企画・取材・編集,平凡社,2000.8.

古本やで,カバーの著者紹介を見て買いました.
・NHKディレクターとして,「シリーズ・授業」
・プロデューサーとして,
 「もう一度投げたかった-炎のストッパー津田恒美の直球人生」

もう,読むしかありません.

「シリーズ・授業」は,いつ見ても(最近,見ていませんが)
教員免許持たなくても,授業はできるんだなぁ,と関心しきり.
一番覚えているのは,プロのシェフの方の授業で,
子供が「苦い」味を,味蕾で感じられなくなりつつある,
ことに対する,強烈な献身.

津田恒美の直球人生は,
少年時代,大ファンだった津田の短い人生を,
少し成長して,高校生ぐらいだったか,この番組をみて,
大泣きしまいた.単純な感動の仕方で恐縮ですが,
人生を賭ける,ということの意味が少しだけ分かった気がしました.

さて,本は,入門書のように書いてありますが,奥が深かったです.

そして,後半部分は,読みながらひっかかっていた
「テレビとは」,「ドキュメンタリーとは」という本題に入っていきます.

p.214
テレビ・ドキュメンタリーは,視聴者に「現在」を送るわけです.
テレビは「現在」が得意分野なのです.もしかすると,テレビの
リアリティも「現在」ということと密接に絡んでいるのかもしれません.
生中継のさなか,出来事がとらえられればまさにドキュメンタリー
となります.野球中継が「筋書きのないドラマ」として人々の
心をつかむのも,そうしたことにほかなりません.

この文章,読めば読むほど,奥深い.
しかも,「野球は筋書きのないドラマである」という名言にまで繋がっている.

僕には,何ができるだろうか.


劔岳 [本からの一言]

新田次郎:劔岳<点の記>,文春文庫,1981.1 より

p.290
 「四人はきっと劔岳の頂上に行って来ますよ。四人の足がまえは尋常ではない。
  彼等はなんとしてでもやるつもりです」

何のことか,この本を読んでいない人にはぴんと来ないだろうが,
僕はこの行を読んで,ソーシャルキャピタルという言葉を感じた.
K林先生は苦笑するかしら?

山男達の強い意志と信頼感が,尋常ではない足がまえという姿
(しかも,見える人にしか見えない)になったのか,と.
地域の意志が,風景に立ち現れるように.

何かと登山に縁のある人生です.
もちろん,僕は一つとして名のある山を登ったことはないけれど.


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