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Châteaux [フランス便り]

先日,La Loire(ロワール川)のお城を見てきました.
ロワール川は,中央山塊東部に源流を持ち,
フランスのほぼ中央部を北上したあと,
Orléansに達し,流れを西に向けTours,Nantes
などを経て大西洋に注ぐ,フランス最長
全長1,020kmの大河です.

このロワール川の中流域,15世紀に一時的にフランスの
首都となったこともあるTours(トゥール)を中心に
ルネッサンス期に競うようにして築造された大小100ほどの
お城があります.
このうち,Château de Chambord(シャンボール城)とその領地は
1981年世界遺産となっています.

当初,交通が不便と聞いていたので,
レンタカーで見て回るつもりだったのですが,
もはやこの時期になってしまっているので,
敢えて鉄道と徒歩で,3つの城を見て回ることにしました.
Château de Blois ブロア城
Château de Amboise アンボワーズ城
Château de Chenonceaux シュノンソー城


Bordeaux やNantesに行くTGVの車窓から見ていた
この何とも茫洋としたロワール川流域が,
中世のある時期王侯貴族がこぞって城を建て,
フランスの庭と呼ばれていることを知ってから
一度訪れてみたいと思っていました.
(日本でも有名らしいが,そんなことも知らずにフランスに来てしまいました)

TGVの沿線にいくつかの丘陵が見え始め,La Loireを渡ると
すぐに今回拠点とするToursに着きます.
正確には,その一つ前の駅St-Pierre-des-Corpsで乗り換えるのですが,
Toursには入っているので,そこから5分も列車に乗れば
まちの中心部に着きます.

Toursからは,TGV以外にも放射線状に8方向へ
在来線が伸びています.今回は,この在来線に乗って
お城近くのまち(村)まで行き,そこから徒歩で
お城詣でとなりました.

地図で予習はしていったのですが,
今回確かめたかったのは,
1)お城と鉄道とまちの関係
2)お城の立地する地形
3)お城をつくった土木技術
です.

世界遺産のシャンボール城をはじめ,ロワール川周辺のお城の多くは,
車でないといけない場所が多いので,それは何故か?と考えたので,
上記のポイントを,「敢えて」鉄道で行って見て来ようと思いました.

■Château de Blois
1)Bloisは比較的大きなまちで,駅も城もまちのほぼ中心部にある.
2)まち全体がロワール川に南面した河岸段丘(時に断崖)となっている.
3)起伏に富んだ地形を克服した敷地造成技術.
  お城そのものも高い建築技術の粋が投入されている.
chateau1.JPG
駅が高台にあり,城の向こうにLa Loireがあることが意識できた.

■Château de Amboise
1)Amboiseのまちの中心部はロワール川の南側にあり,城はそちら側にある.
  駅は城から中洲を経た北側,やや町外れに立地しており小さい.
2)ロワール川に北面する断崖上に立地している.
3)「ミニムの塔」と呼ばれる,かつての馬車用螺旋通路(立体駐車場のそれに似てる)
  に代表されるように,高低差克服技術(揚水技術も含めて)
chateau2.JPG
Pont Général Leclerc Maréchal de France?からの城.
見れば見るほど河岸との関係が鮮明に.

■Château de Chenonceaux
1)着いてびっくりしたのですが,駅はほぼ城のためだけにあります.
  巨大な城の敷地の傍らに村がちょこっと付属している感じ.
2)ロワール川の支流Le Cher(シェール川)を跨ぐ形で立地.
3)城内にある船着き場が印象的で,河川技術または水工技術.
chateau3.JPG
描かれたChâteau de Chenonceaux.橋そのものです.


三者三様だった訳ですが,まちと駅の印象的は「大中小」という感じです.
城の格はまた違うと感じました.おそらく,城の用途に関係していると
思います.BloisとAmboiseは統治用,Chenonceauは狩猟用(余暇用)
という風に見て取れました.

鉄道以前は,舟運が最大の輸送機関であったことを合わせて考えてみると,
必ずしも便利なところに城が築かれた訳ではなく,城が先にでき,
追ってまちができた,という過程を辿ったのではないかと思われます.
すると,当時の王侯貴族はかなり無理な築城を行ったと考えられ,
Civil engineeringよりも,Millitary engineeringの印象を受けました.
また,フランスは運河の国なんだと実感できました.

England [フランス便り]

先週は,友人がいるManchesterと,そこから
世界初の鉄道が開通した都市Liverpoolに行ってきました.

Manchesterには,大学の時の後輩?おーにしくん
がいて,彼はParisにも何度か遊びに来てくれたので,
そのお礼と,産業革命(簡単に言えば「近代」)が始まった
都市というのを是非見たかったので,急な予定でしたが,
ひとっ飛びで行ける距離なので,無理して行ってきました.

ParisからManchesterまでは,離陸してから着陸するまでは
1時間かかっていません.それぞれ,都市から空港へは
Parisでは40分,Manchesterでは20分程度,
一応国外なので,入国審査等が厳しいですが,3時間あれば
完全に異国の地です.

フランスに来てから,鉄道の移動が多かった
(実際,6月にLondonに行った時もユーロスター)
ので,飛行機は新鮮です.
その飛行機に乗ったからかもしれませんが,
今年に入ってからめまぐるしく,フランス国外へでかけて
いるのですが,そういう国々とは違った印象を受けました.

■Manchester
マンチェスター・ピカデリー駅につくなり
おーにしくんが「この街は三角形をしている」
と教えてくれたので,すんなりとまち歩きを始めることが
できました.各頂点にはかつては鉄道駅が配され,中心部には
シティ・ホールや各種庁舎,そして教会があります.

中心市街地を囲む三角形の各辺は鉄道が形成しているのですが,
その下地にうっすらと運河の姿が認められます.
そう,このManchesterも運河都市なのです.
世界発の鉄道がこの街とLiverpool に敷設されたのも,
運河によって国際的貿易港リヴァプールと羊毛産業の中心地,
そして当時世界的金融の中心地であったマンチェスターを
結ぶために,運河よりもより迅速に物資や人を運ぶために
鉄路が必要とされたのでした.

市内では,かつて世界でも指折りの金融都市,そして
産業革命発祥の地として得た富と名声の「なごり」を
随所に感じ取ることができました.

かつてLiverpoolとManchesterを結んだ西端の駅から
現在Londonとの接続点になっている東橋のピカデリー駅
との間には,現在も運河が埋め立てられずに残っています.
その沿川には,煉瓦造のWarehouseや商館が立ち並び
まさに「産業革命発祥の地」でした.
 
man1.JPG
再開発の波は,ここManchesterでも深刻なようです.
英国のリノベーションはレベルが高いと思っていましたが,
それも場所によるようです.

もう一つ,マンチェスターのまちはまちで面白かったのですが,
もっとすごかったのは,町外れにあったこのMOSI
(Museum of Science and Industry)でした.
 
man2.JPG
 
計3時間いましたが,まだまだ見足らない感じでした.
現に一部回収中だったので,是非また訪れてみたいです.
特に,興味深かったのは,幼稚園ぐらいの子供から中学生ぐらいまで
いくつかのグループが先生に引率されて社会見学?に来ていた様子
でした.本物を見て勉強する,ということの重大さを意識しました.
アーカイブや文献の所蔵具合,また学習室や子供のためのレクチャー
施設なども,日本と比較になりません.おそらくフランスもここまでは
充実してないような気がしました.

次のLiverpoolも含めて,都市や技術の歴史に対する姿勢の
こういった雰囲気が,英国の気質かなぁと思いました.
フランスが地域を基本単位にしているのに対して,
英国では「国を挙げて」という気概のようなものを感じました.

■Liverpool
リヴァプールと言えば,Beatlesなのでしょうが,
今回はあまりそっちの方を勉強して行けなかったので,
思う存分楽しむことはできませんでした.

Liverpoolを訪れたのは,世界初の鉄道の路線に乗って
港に行きたかったのと,その港が商港として世界遺産に
なっているので,それを確かめに行くため,でした.

ManchesterからLiverpoolは,1時間に4,5本列車が走っており,
所用時間は約40分,雰囲気は京都-大阪間です.
大阪は東洋のマンチェスターと呼ばれた時代があったので,
この例えは非現実的ですが,Manchester>Liverpoolへの旅は,
大阪>神戸を思い出させました.
現実には,大阪>神戸は,阪急,JR,阪神どれを使っても
20分程度で三宮まで着いてしまうので,路線的には違うのですが,
都市の雰囲気と港町らしさ,という点で,上記のような例えを
思いつきました.

リヴァプールは,駅からしてとても洗練された文化を持った
港町だと思いました.到着したLime Street Stationでは
大架構が,街の雰囲気を引き込んだような明るい駅舎を演出していました.
(余談ですが,Limeがいろんな意味を持っていることを初めて知りました)

世界遺産は,商港として発展した都市の経緯を残す6ヶ所のエリアで
構成されています.その中で僕が一番港町らしさを感じたのは,
このAlbert Dockです.
liv2.JPG
 
世界遺産として写真映えするのは,次の3建築です.
The Three Grace (1901-1916)
18世紀,19世紀の国際貿易をリードした港湾関係建築物
(Royal Liver Dock, Cunard Building and Dock Office)
liv1.JPG
 
しかし,港町を支えてきたという存在感では,
やっぱりAlbert Dockの水面が一番だと思います.
横浜や門司を思い出しましたが,規模や保全状態が全く違います.
使われ続けてきた水辺の力が漲っています.

かつてのWarehouseは,Tate美術館になったり海事博物館になったり
していますが,内水面は今でもツアーなどの船が出入りしており,
ちゃんと河岸としての機能を果たしています.

今回,思いがけず,
内陸河港都市と沿岸港湾都市という欧州の典型的な
2都市を比較して見ることができました.
フランスにも,例えば
Rouen>Le Havre
Nantes>St.Nazare
などの都市関係(内港>外港)が見られます.
その水辺の保全も含めて,興味深い街々です.

二度目のLe Puy en Velay [フランス便り]

2月3日,そう節分の日から二泊三日で,
Auvergneの南端,Haute-Loire州の
Le Puy en Velayへ行ってきました.

Le Puyへは,11月の24-26日にも行っているので
二度目です.Auvergneとして考えると三度目となります.
今回も,友人のしりるさんにくっついて,Siteの領域
見直し計画のWSに参加してきました.
そして,しりるさんの協力を得て,
フランスにて初ヒアリング調査も行ってきました.

結果から言うと,ヒアリング調査は,とても
うまくいきました.しかし,全調査の行程は
SNCFにしてやられました.

3日,行きは「Social Movement」(いわゆるストです)
により,11h16にLe Puyに着くはずが,着いたのは
18h25と,何時間の遅延か考えるのも嫌になるぐらいでした.

しかし,フランスに来て9ヶ月,もうこんなことでは
驚きません.HONDAくんに薦められた玉村さんの
『パリのカフェをつくった人々』を完読しました.
しかも,内容はParisCafeの多くはAuvergne人の
コミュニティで経営されている,という神話にも似た話.
実際,Auvergneに二度訪れて,歩いて,見て,聞いて
していると納得できるものがありました.

5日,帰りは帰りで,列車が故障し1時間弱
よけいに列車の中で過ごすことができました.
本は読み尽くしたので,今度はヒアリング成果の
速記録を完成.フランスの列車の中は,非常に快適.

SNCFにしてやられましたが,転んでもただでは起きません.


今回も,二日目は朝一番にCafeでヒアリングした後,
Le Puyの郊外を縦走です.
前回があるので,もう今回は驚きません.
「あー,あそこに見えているピークまで登るのね」
「そこでサンドイッチ,あーピクニックね.うぃ」
「その後,隣のCommuneまで歩いて,戻ってくる.だっこー」
 
puy1.JPG
延々,パーティの人たちと歩きながら,
先ほどのヒアリングの言葉が頭をよぎる.
「僕たちの仕事は,地図の中の赤い線をみんなと共有すること」
「みんなの違う地図を,一枚の地図にして,リアリティを得ること」
「Siteはただの線じゃない,法に守られた現実の場所なんだ」
「そこには,風景がある」

とにかく,どんどん話しかける.
「それは,何?」
「あれは,誰がつくったのか?」
「これは,誰が決めたのか?」
フランスでも,日本でも,変わらないこともあるし,
全く違うこともある.

歩いて歩いて,そして,彼らは地図に帰ってくる.
一日の最後も,またCafeで議論.
足跡を地図に落とし,みんなで方向性を確認.

夜,反芻してみる.
「今日の発見3つ」

追伸:
5日には,雨の中でしたが,待望のLe Puy市内観光をしました.
いままで,ほとんど街の中を歩いていなかったので,
シュマン・デゥ・コンポステラの起点の一つともなっている
この街のあちこちを見て回りました.
そして,とうとうノートルダム像へ登った後に,
これを見つけました.
puy2.JPG
 
二つ目です.
歴史と地理と風景の先輩たちの足跡.

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